サーベイから発生した組織課題を可視化する
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
開発者の皆さんは、開発に関わる課題を課題管理ツールで共有しているケースがほとんどかと思います。
一方で所属会社の組織課題については課題管理され、全社員に可視化されているでしょうか?
可視化しているケースもあるとは思いますが、どちらかというと少数派ではないかと思います(要出典)。
現在、エンゲージメントパルスサーベイ をトライアル実施中で、サーベイの結果を元にした改善施策を可視化する取り組みをはじめました。
サーベイと課題の可視化
サーベイからの組織改善を実施する場合の失敗例の一つが、「活用されているかどうかわからず、実施の意義を感じてもらえなくなり、段々と回答してもらえなくなる」というケースです。
エンゲージメントサーベイの導入時に組織改善を目的としている旨は伝えるものの、実際の改善への動きが見えないと回答者としては改善を実感できないのも当然です。
回答者の皆さんからいただいた情報を実際に改善につなげている、という事実を見えるようにする必要があります。
可視化の方法
Notion のかんばんを利用しています。
かんばんのレーンで施策の実施状況のステータスを確認可能にします。
各施策には属性として全社単位の施策なのか、各部単位の施策なのかなどの情報をもたせています。
個別の施策は、各カードの詳細画面に記載していて、例えばこんな内容になっています。
※これはサンプルとして登録した私達のチームの課題です。実際に取り組み終わったものです
新メンバーの受け入れオンボーディングが未整備# 背景今後、メンバー増員の可能性がある# 問題## 理想オンボーディングが整備されており、新メンバーが以下を前提知識の把握や業務で使うサービス、ツール類の設定が整った上で実務に参加し始めることができる- エンジニアリング統括室のチーム前提理解- MVVB- チーム構成- インセプションデッキ- チームメンバーとの相互理解- それぞれの Will / Can の把握- それぞれの価値観の把握- エンジニアリング統括室の仕事の進め方の理解- スクラム- ODDR- Employee Lifecycle Model- 現状把握- 直近の EX Goal- エンジニアリング統括室の業務で利用するサービスのアカウント発行や初期設定- 業務上関わるステークホルダーとの顔合わせ- JD目標の設定---## 現実オンボーディングはすべて未整備---## ギャップ理想に対して現実は完全に未整備---# 要因- 2021年に立ち上がったばかりのチームのため# 解決策チームの受け入れオンボーディングを整備する# アクション## オンボーディング整備- オンボーディングの作成# 期待される結果- オンボーディングが整備されている。結果として- 同じゴールを見据えて一緒に働くことができる- 基本的な仕事の進め方を理解して業務に参加できる- 不明点がなくなることで不安を減らした状態で業務に参加できる- 業務に必要な知識、ツールが揃った状態で業務に参加できる- 業務で関わる関係者と顔合わせをした上で業務に参加できる- チームメンバーが目指していること、強み、価値観を把握してともに働ける- 直近の目標が定まった状態で業務に参加できるが可能となる。# 受け入れ条件- 以下のオンボーディングコンテンツが準備完了になっていること- 前提理解オンボーディングの作成- 相互理解オンボーディングの作成- 仕事の進め方オンボーディングの作成- 現状把握オンボーディングの作成- ツールオンボーディングの作成- ステークホルダーオンボーディングの作成- JD目標の設定
可視化の副次効果
エンゲージメントサーベイからの組織課題を可視化することは、前述のようにサーベイ実施の意義を回答者のみなさんに伝える目的があります。その他に副次効果として、他の部門が取り組んでいる組織課題からヒントを得ることができる可能性があります。
まとめ
サーベイからの組織課題における可視化にまつわる問題、組織課題を可視化する方法についてまとめました。
サーベイは忙しい業務の合間をぬって回答してもらうため、負荷がかかります。その中でも回答する意義を感じていただくためにも、実際に改善に活用されている内容を見せていく必要があります。そもそもサーベイが関係なくても組織が改善されていっているかどうかは所属する社員にとって大切なことなので、その意味でも可視化する意義があります。
ただ、前提として現在進行系の組織施策を共有できる時点で、ある程度会社と社員の信頼関係が必要という気もします。不信感が大きいと実施途中の施策に対して過剰に不安や不満の声が湧き上がったりしてしまうものです。前提は選びますが、理想としては組織課題が見える状態になっている状態を目指したいものですね。
なお、この記事自体が組織課題の可視化に関する社内報も兼ねています。